2011年3月15日火曜日

ePub対応の電子書籍を簡単に作成 Sigil

Sigilは、電子書籍の国際フォーマット「EPUB」(ePub)に準拠した電子書籍のオーサリングソフトだ。EPUB形式のデータはHTMLCSSで構成されているが、それらの知識が無くても"WYSIWYG"(ウィジウィグ)環境で自由に電子書籍を作成できる。

 わずか数百グラムの携帯情報機器に何十冊、何百冊もの書籍を保存し、いつどこにいても好きなものを読める。読みたいものが手元になければ、無線ネットワーク経由ですぐにダウンロードすればよい——。

 こうした利便性が利用者に評価され、電子書籍を閲覧するための携帯情報機器が米国を中心にヒットしている。米Amazon社の「Kindle」や米Apple社の「iPad」などである。既に日本でも、KindleiPadで電子書籍を読んでいる人もいるだろう。

 書店に行かなくても本を手に入れて読めるのは電子書籍の利点だが、それだけではない。オリジナルの電子書籍を作って読んだり、家族・友人に配布したりするといった新たな楽しみもある。例えば、著作権切れの文学作品を収蔵するWebサイト「青空文庫」から好みの小説を入手し、自分のイラストをカバーや挿絵にしてオリジナルの文庫を作れるのだ。

 こういった楽しみ方を手軽に体験できるのが、今回紹介する「Sigil」である。Sigilは、電子書籍をユーザーがGUIで作成するためのソフトだ(写真1)。米国などで電子書籍の標準形式として採用が広がっているファイルフォーマット「EPUB」に準拠している。EPUBは業界団体「IDPF」(International Digital Publishing Forum)が推進しており、iPadの電子書籍ビューワ「iBooks」にも採用されている。

 

文字コードの変換

 用意したテキストファイルが、Sigilで読み込めないことがある。文字コードがシフトJISになっているようなケースだ。たとえば青空文庫で配布されているテキストファイル(拡張子が「.txt」)は、シフトJISのものが多い。

 このようなテキストをLinux上のSigilで扱えるようにするには、UTF-8コードなどに変換する必要がある。文字コードを変換するための「nkf」コマンドをインストールして使うといいだろう。

 

作者:Strahinja.Markovic
URL
http://code.google.com/p/sigil/

 

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