問題を解決していく上では、関係者の利害関係を踏まえ、バランスの取れた妥協点を見出す交渉、折衝や調整が必須の事項になる。WIN-WINの関係などそう簡単に構築できるものではない。「内部をまとめ切れない」「決めたことがあとから覆る、あるいは実行できない、しない」ような相手とは交渉にならないし、「主張すべきを主張しない」「小細工をする」「譲歩すべきを譲歩しない」人に対しては信頼感は生まれない。そして、そのような交渉の経過や結果が、それを外部から見ている第三者からの失望を買っていたり、将来に付け込まれる火種を作っていたりもする。
途上の過程では駆け引きや一種の脅しなどの交渉戦術も必要であろうが、最終的には相互の信頼が決め手になる。その信頼関係のベースもまた、「能力とやる気」や「毅然とした態度」である。
人間性は切羽詰った状況で表に表れる。仕事上の信頼関係は、仕事上の具体的な事象を通じて醸成されて行く。「まず良き個人的な人間関係を築き、仕事上の問題はその後に……」といった悠長なことを言っていられる時代ではない。世の中には「大変良い人だが、仕事のパートナーとしては失格」という人もいれば、「仕事上は全幅の信頼が置けるが、プライベートの付き合いはごめん被りたい」といった人もいる。
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