2011年6月2日木曜日

「分かる」から「できる」に

 IT業界では、たくさんの勉強会が開かれています。さまざまなエンジニアの体験やノウハウを知ることができ、新たな出会いもあるため、勉強会に参加することを楽しみにしているエンジニアは多いことでしょう。

 ですが、勉強会は参加するだけではあまり意味がありません。今回は「分かる」と「できる」の差は大きいというテーマで、勉強会で学んだことを生かすために必要なことを紹介します。

「分かる」「できる」の違いを分かっていますか?
「分かる」——理論・知識・手法が理解できる
「できる」——学んだことを自分で実践できる

 知識を得ることは、とても大切です。しかし、知識を得るだけでは、何もできないのにできるようなつもりになってしまい、「もう十分知識はあるから、これ以上必要ない」と思考停止状態に陥ってしまう可能性があります。エンジニアとしては「分かるだけの評論家」にはなりたくありません。エンジニアなら「実際に手を動かすことができる実践者」でありたいものです。

 ここで、なぜ「分かる」だけでは「できない」のかについて考えてみましょう。結論から言えば、「できる」ようになるためには、実際の体験や行動から得られる情報が必須だからです。

 人は無意識に行動していることがままあります。自転車で曲がり角を曲がる瞬間を思い浮かべてください。バランスを取り、体重移動する瞬間の感覚を、言葉や映像ですべて表現することは不可能です。

 また、プロフェッショナルほど、徹底的に繰り返して体に覚え込ませ、無意識レベルで実践できるまで技術を高めます。熟練しているからこそ、言葉にするのが難しい技術はたくさんあります。

 このように、「分かる」だけでは情報としては不十分です。言葉になっていない部分を実際に体験することで、初めて「できる」ようになるのです。

0 件のコメント:

コメントを投稿