2011年6月7日火曜日

役割分担と統合

組織とはそもそも個人ではできないことを達成するための仕組みです。次の3点に要約されます
(1)役割分担
(2)役割の調整、統合
(3)ルール

役割の分担
 組織の中では、個人の役割が決まっていなくてはなりません。皆が同じことをしていては、組織としての価値はないわけですから、それぞれの個人の能力や経験と組織の目的をかんがみて「分担」が決まります。
 その分担を「統合」する第一段階として、組織構造ができます。いわゆる組織図をイメージしていただければよいでしょう。それぞれの役割を考えて、どのようにまとめたら最も相乗効果があり、組織力が上がるかを考えて、「部門」「課」などができます。組織構造を考える「軸」は数えるほどしかありません。例外はあるかもしれませんが、基本的には次の4つ、またはその組み合わせ(マトリックスなどと呼ばれます)です。
(1)機能別(マーケティング、製造、経理、人事等)
(2)商品あるいは事業別
(3)顧客別(消費者、法人、官公庁等)
(4)地域別(国内では東日本、西日本、海外ではアメリカ、アジア等)

役割の調整、統合
 役割分担や組織図を変えても問題が解決しない本質的な問題は、結局組織力とは「部門間の統合」にカギがあるということです。多くの企業において、「縦割りの弊害」「風通しが悪い」といった問題が、情報や資源の退蔵を生み、対策の遅れや機会の逸失につながります。なんだかんだ言って、人間は帰属意識が高く、部門を分けると、他部門にライバル意識を持つからです。ランダムにチーム分けをしただけで「自分たち」「他人」という意識が生まれるという心理学の実験結果もあるほどです。
 つまり、組織力を発揮していくためには、「どう分けるか」も大切ですが、「どう結び付けるか」がそれ以上に大切だということです(ちなみに、マギル大学のミンツバーグ教授が指摘するように、戦略についても、分析だけではなく、その分析をどうつなぎ合わせて1枚の絵にするかが大切なのです)。この結び付け方、統合がなおざりになっていれば、どんなに組織を変えても、あるいはどんなに優れた人材を採用しても、組織の力が高まることはありません。

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