2011年6月8日水曜日

うつ病を理解し、乗り越える

うつ病は深い精神的苦痛であり、人の健康をむしばみ、活力をそぎ、食事や睡眠をとる力を奪ってしまう
うつ病は、思考や感情、肉体の健康に大きな影響を与える
子供や青年、お年寄りもうつ病になる可能性があるが、うつ病患者の大部分は25歳から65歳の女性である
うつ病の3大要因は「過去の辛い経験、生きるための堅苦しいルール、社会からの多大なストレス」である
ある研究結果によると、生化学的不均衡が、うつ病の原因であると示されている
薬物治療により、うつ病の身体症状を和らげることができる
一時的に症状を緩和するには、運動、メディテーション、社会との交流を行うこと
カウンセラーあるいはセラピストは、うつ病の主要原因を突き止める手助けができる
うつ病から回復するためには、小さなことから始めること
自分の思考パターンを認識し、否定的な考えには「言葉を返す」こと

この要約書から学べること

うつ病の症状に早期に気付く方法
うつ病の治療法とは?
うつ病の原因および回復するための方法とは?

 うつ病とは単に気分が悪い事とは異なります。誰でも、時によっては気分が悪くなることはあります。しかし、本当の臨床的うつ病は、気分の悪い状態が常に、そして長期間続いた時に起こります。このレベルのうつ病になると、考え方、自分自身や生活のあらゆる物事に対する感じ方が影響を受けます。そして、最も深刻な症状は、自分は二度と回復しないのではないかと思い込んでしまうことです。

 ベイツ医師は、薬物治療と心理療法を使用して回復を図る総体的アプローチを推奨しています。また、自分のネガティブな思考パターンを認識しそれに対応することや、ストレスを減らすこと、そして日記を書いたり、小さな目標を立てて取り組んだりすることなど、シンプルな対処法を紹介しています。

 現代人であれば、だれもが発症する可能性のある心の病「うつ病」。気分が落ち込み、生きるエネルギーが失われて、身体のあちこちに不調をきたす病気です。

 恐ろしいことに、日本人の約20%が、うつ病を経験するといわれていますが、そのうち治療を受けている人は、ほんのわずかであるという調査結果が出ています。

 「うつ病」の原因はストレスにあるとされていますが、現代において誰でもがそれなりにストレスを抱えていることは間違いありません。しかし、なぜ発症する人とそうでない人がいるのでしょうか? うつ病についての見解がかなり広まってきたとはいっても、症状の軽いうちは周りからは普通に見えるために、単なる怠けだとか甘えだと誤解さるケースも少なくありません。また、本人が「うつ病」と気付いていない場合もあるといいます。

絶望感を乗り越える

 うつ病にかかっている人は、何も変わるものは無いと思っています。このような絶望感は自己達成的であり自己破滅的なものです。しかし、絶望感に悩まされていても、それを乗り越える方法があります。自分が抱える問題の巨大さに圧倒されるのではなく、問題を対処できる段階に分けて考えて下さい。

 一度に講じる手段は1つの小さなものにし、それに集中して下さい。期待は抑えめにすることで、より成功する可能性が上がります。小さな成功を積み重ねることで、自分は要らない存在であるという感情と闘うことができます。

 また、過去の楽しかった出来ごとを思い出し、同じことがもう一度起きる様子を想像して下さい。そして、自分は価値のある存在であるという考えや、自分が苦しむのは当然のことではないという気持ちを育てて下さい。最後に、人生には何が起こるか分からないことを覚えておいて下さい。幸運を掴む機会があるということを信じて下さい。

 もし、自分自身が、うつ病だと思ったら、まずは今抱えている問題を少しずつ捉え、解決していくことが重要です。それにより、少しずつ自信を取り戻すことが可能になります。そのためには生活環境の中に、よき理解者の支えも必要だと思います。

うつ病に打ち勝つ

 ある特定の活動を行うことで、一時的にでも憂うつな気持ちから解放されると気付いている人もいるでしょう。そういった活動には、散歩、音楽鑑賞、親しい友人と時間を過ごす、ペットと遊ぶ、休暇、睡眠、宗教に安らぎを求める、などが挙げられます。

 しかし、このようなことをしても悲しみを和らげることができなかった場合、臨床的うつ病を乗り越えるための身体的、精神的、感情的、および対人的な手法を一体化させたアプローチを取る必要があります。うつ病の症状は人さまざまであるため、人によってより適切な手法とそうでない手法がある場合があります。

 もし、身体の物理的性質の不均衡がうつ病の原因である場合、薬物治療が効果を発揮する可能性があります。薬物治療は一部の身体的症状を和らげる効果があるため、うつ病の内在する感情的要因を見つけることができます。薬物治療だけでうつ病を治療することができると考えている医師もいますが、より総体的なアプローチが必要だと感じている医師もいます。

 専門家の大部分は、薬物治療と心理療法を組み合わせる手法が、うつ病を乗り越えるためには最も効果的だという考えに賛同しています。薬物治療に加え、運動、食事制限、メディテーション、睡眠などを行うことでうつ病の物理的影響を抑えることができます。

 カウンセラーや資格を持ったセラピストは、うつ病の中心的理由を克服する手助けをすることができます。専門家のサポートのもと、うつ病の根本原因となっていると考えられる辛い記憶や経験を安全に探る事ができます。ある患者は、「私と同じ気持ちを味わっている人に、希望はあると伝えたいのです。

 あなたは他の皆と同じだけ素晴らしく、それを証明してあげなければならない相手は、あなた自身なのです。今あなたが必要とするサポートを受けて下さい」と記しています。

 うつ病を乗り越えるための総体的アプローチには次のような要素があります。

総合的なアプローチについて

 ・ストレスを減らす:スケジュールを少し変えるだけで、ストレスの程度を大きく変えることができる場合がよくある。大切でない約束をキャンセルしたり、休みを取ったり、毎日のストレスを解消するための助けを求めたりすること

 ・否定的な考えに対抗する:悲観的な思考のパターンは徐々に成長していく。まずはこのパターンに気付き、対抗すること

 ・治療日記をつける:考えや感情を日記に記録することは、治療の役に立つ

ここでは具体的には、うつ病の改善方法について語られています。まずは精神に負担をかけないようにすること。そして身体的異常は、時に薬物治療も有効ということです。いずれにしても、この項目は、うつ病を理解するうえにおいて、非常に参考になるはずです。

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