2011年6月10日金曜日

想定外と言わないためのビューチェンジ

 「ここ何年間」も同じ作業を続けるということはすなわち、作業を取り巻く環境(人や仕事、技術、景気、お金など)が、ほとんど変化していないということです。しかし、この「変化なし」を前提に物事を考えるのはリスクが伴います。なぜなら、物事は変化するものだからです。「この状態は変化し得るものだ」という前提で仕事をする場合と、「これからもずっと安定してこの状態が続く」という前提で仕事をする場合では、いざ何かが起きたときの立て直しに雲泥の差が出ます。

 何かが起きた時、「こんなのは想定外だ」と片付けてしまうのは簡単です。しかし、それは思考停止に他なりません。

 この考え方は、キャリアでも同じです。毎日、日々のルーティーンを行いながらも、それが崩れる事態を想定し、「崩れても建て直しやすい体制」を作って実行することが大切です。そのためには「なんとなくビュー」から脱却する方法が有効です。

「なんとなくビュー」から脱却する
(1)「手順の見直し」して脱却する
 「先輩はこうやっていたけれど、もっと効率的な方法はないか」「本当にこの手順が最適なのか」「今やっている仕事は自分に適しているか」「今のスキルを別のところに生かせないか」——手順の見直しは、やがて自分の仕事スタイルを考えることにつながります。自分で考え、自分が作ったという実感がある仕事はモチベーションが上がります。

(2)「目的を見直し」して脱却する
 目的なき仕事は、ただの「作業」でしかありません。この作業は何のためにやっているのか。自分は「何をつくる」ために仕事をしているのか。顧客が本当に望んでいるものは何か。そして、自分は何のために仕事をしているのか。慣れている仕事ほど作業に意識が向いてしまい、作業の目的にまで思考が及ばないものです。「この仕事の目的は何か?」と言われたときに即答できない仕事をなくしましょう。

(3)「リスクの見直し」をして脱却する
 安定して慣れた仕事場では、「これやっといて」「はい」と、なあなあに仕事が進んでしまいます。しかし、慣れているからこそはまる落とし穴もあります。「何も考えずに仕事ができる」「仕事の改善について真剣に考えている人がどこにもいない」——職場にこのような空気が蔓延(まんえん)している場合、それはリスクと考えてよいでしょう。職場の改善に取り組むのも良し、いっそのこと職場環境を変えてみる(異動願いや転職など)のもいいかもしれません。

 現状の状態に甘んじることなく、今あなたが従事している仕事内容やミッション、働いている会社や事業形態などについて、常に見直しをかけて「なんとなくビュー」から抜け出す行動を起こしましょう。

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