2011年6月9日木曜日

「簡潔に話す」ための六つのポイント

(1)依頼事項を最初に簡潔に話す
(2)相手が知っていることとの比較や比喩表現を使い、簡潔に話す
(3)納得できる理由を簡潔に話す
(4)原因や本質を簡潔に話す
(5)スケジュールを簡潔に話す
(6)自信をもって簡潔に話す(弱々しく話さない)

(1)依頼事項を最初に簡潔に話す

 チェックリストの1.「何の話?」「報告? 相談? 連絡?」「私はどうすればいいの?」「俺がやることあるの?」に対応するポイントである。

 自分はいったい何をすればいいのか、何が望まれているのかを知りたい。あなたの話を聞く相手はまず、こう思うのが普通だろう。

 説明する際は冒頭で「報告したいのですが」「意見収集のためです」「ご決断いただきたいのですが」といった具合に、相手にやってほしいことを明確にしておくとよい。筆者の組織では実際、このようなルールを定めている。

(2)相手が知っていることとの比較や比喩表現を使い、簡潔に話す

 チェックリストの2.「簡単に言うと、どういうことなの?」「分かるように説明してくれない?」に対応するポイントである。

 専門的な内容を説明する際に、新しい概念で理解するのが難しかったりすると、説明がつい冗長になってしまう。この場合は、相手の知っていることに置き換えるとよい。

 以前のIT関連の動向には通じているが最近の事情にはやや疎い人に、「クラウドコンピューティングとは何か」を説明するとする。そうした場合は、ホスティングやハウジング、ASP(アプリケーション・サービス・プロバイダー)といった既存の概念と比較して説明すれば、相手は理解しやすくなる。

(3)納得できる理由を簡潔に話す

 チェックリストの3.「それはなぜ?」「どうしてそうなるの?」に対応するポイントである。こう聞かれるのは、相手がその理由を理解できていないからだ。相手に説明するときは、「なぜそうなのか」を相手に納得してもらえる内容を盛り込む必要がある。

 クラウドコンピューティングについて話すのであれば、「なぜ必要なのか、普及が進んでいるのか」の理由を盛り込む必要がある。クラウドなら機器更改の手間を低減できる、保守要員を手配しなくて済む、運用手順を考えなくていいなどが挙げられる。筆者の組織でも、理由に関する説明が甘い場合、再説明することとしている。

(4)原因や本質を簡潔に話す

 チェックリストの6.「何が原因なの?」「どこが問題なの?」に対応するポイントである。原因や本質をきちんと探究していないために、相手に納得してもらえる説明ができていないと、こうした質問を受けることになる。

 この場合は原因や本質とその理由をズバリ、ひと言で説明する必要がある。それを可能にするには当然、原因や本質をあらかじめ十分に理解しておかなければならない。

(5)スケジュールを簡潔に話す

 チェックリストの7. 「いつまでにやるの?」「スケジュール感をどう考えている?」に対応するポイントである。

 上長は、部下やチームメンバーの仕事を管理する立場にある。担当者が思っている以上に、スケジュールを重視するケースが多い。それで仕事がうまく進んでいるか、何か問題があるかを見ているのである。

 このため、スケジュール感をあらかじめ簡潔に説明しておかないと、ダメだしを受けることになる。筆者の組織でも、スケジュールを示さない人は、本気でこの仕事に取り組んでいないと評価される。

(6)自信をもって簡潔に話す

 チェックリストの9.「これでうまくいくの?」「それで大丈夫?」に対応するポイントである。説明者の説明が弱々しかったり、自信がなさそうだったりするときに、こうした質問が出てくる。

 この場合はくどくど説明するよりも、「○○だから大丈夫です」「他の会社で事例があります」といった具合に気持ちを込めて言い切ることが大切だ。そうすれば相手は安心感を持つようになる。

0 件のコメント:

コメントを投稿