2011年6月13日月曜日

ファンクショナル・アプローチ

ファンクショナル・アプローチは、対象の見方を変える思考法である。企業を本質から見直す必要があるときには、製品や部門個別の数字や課題から離れ、本質であるファンクションに立ち返ることが必要だ。

 ファンクションとは、すべての活動の源となる本質のこと。その本質を達成することが企業や個人の目的であり、日々の活動は、そのための手段であると考える。

 ファンクションは、その提供先も明確である必要がある。企業は、ファンクションの提供先から評価を受けて、業績を上げていくからだ。

 つまりファンクションとは「何のため?」「誰のため?」という質問の答えで表現できる。

 この理念の中から、個々のファンクションを取り出す。ファンクションは、「◯◯を××する」と、名詞と他動詞の2語で表現する。

 個別のファンクションは、FASTダイアグラムと呼ぶ図を作りながら、目的と手段に振り分ける。右に置く手段は、左にある「何のため」という問いかけに対応し、左端が最上位ファンクションとなる。逆に、左から右に向かうと、「どうやって」という問いかけに対応する。理念からでは細かな手段までは読み取れないが、実際にはもっと右に大きく展開している。

 平時においては、経営陣は、手段を管理していればいい。手段は、事業や部署ごとに、細かくブレークダウンされているからだ。

 しかし、経営上の大きな判断が必要なときは違う。

 目的を意識する必要がある。判断に迷う時、優先するべきはより左側のファンクションだ。そのファンクションの達成のためには、手段のファンクション群をそっくり入れ替えることもある。最も重要なファンクションからぶれることなく、取るべき行動を見極める力と勇気が、トップには求められる。

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